鵜沢 邸
March 2000: 新築
設計・施工| 海岸屋ふー
施主の鵜沢氏は、私(田中)の幼馴染で、性格も生活もとても良く知っている間柄でした。
ハンターであり、釣り人であり、キノコ取りの名人であり、投網をする――そんな彼の要望を反映して、とても個性的な家になりました。玄関を入ると大谷石を敷き詰めた広い土間に、わざわざ軽井沢から据え付けに来てもらった薪ストーブがでんと構え、その奥は間仕切りも天井もない大きなリビングが建物のほとんどを占めているという設計です。あえて通りに背を向け、南向きのデッキを作ったことで、明るい光の差し込む暖かいリビングになりました。
素材にもこだわり、床は30mm厚の杉板、壁は茨城の生産者のところまで買いに行った手漉きの和紙でしつらえました。
左官仕事も建具仕事も名人といわれる職人さんに担当してもらい、思い返せばずいぶんと贅沢な物件になりました。