自然素材を使ってひと棟ずつ作っていく
日本国内をあちこち歩いていると美しい町並み、すばらしい住宅建築に出会うことがよくあります。その多くはひと昔前のもので、ここ最近、例えば戦後になってできあがったものではありません。町並みというものがそこに暮らす人々の心象の顕れであるとすれば、我々の心は大きく変わってしまったのでしょうか。
住宅建築は、施主・設計・施工とで構成されていますが、設計・施工を一括して請け負っていた町場の工務店が社会的役割を終えようとしています。施工の効率化・合理化が重視され、工業製品、例えばプレハブやツーバイ工法が選ばれるのが主流となった為、町の工務店より大手住宅メーカーのほうが有利なのが現状です。
しかし、町場の工務店や、大工といわれる小さな作り手の中にしか伝わっていない、日本の伝統的な木造建築技術こそ、ひとつの大切な文化だと私たちは考えていて、それが滅びつつあることにとても危機感を感じています。もちろん工業製品の利点は大きいものがありますが、人間が動物であるかぎり、ベニヤなどの新建材、ビニールクロスやペンキなどの石油化学製品に囲まれて暮すのは不自然だと思うのです。
長い将来にわたって日本の住環境を支えていくのは在来の工法だと考え、手仕事屋を標榜し、ひと棟ずつ作っていく。自然素材を使って作ったものこそが、一番住み手のためになると私たちは信じています。
私たちの家づくりの様子を以下より写真で紹介していますのでぜひご覧ください。